2020.9.9 05:00

【甘口辛口】新型コロナが「あろうがなかろうが開催される」 IOCコーツ氏、五輪が自国開催でも簡単にいえるか

【甘口辛口】

新型コロナが「あろうがなかろうが開催される」 IOCコーツ氏、五輪が自国開催でも簡単にいえるか

 ■9月9日 これはまた何とも自分勝手で無神経ではないか。来夏の東京五輪について新型コロナウイルスが「あろうがなかろうが開催される」とした国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ氏の発言だ。東京五輪の準備状況を監督する調整委員長で、IOC副会長という立場だけに影響の大きさは計り知れない。

 フランスのメディアがインタビューを伝えたもので、コーツ氏は「コロナを克服した五輪となる。トンネルの先に光が見える」とも話したが、何を根拠にそこまでいえるのか。インドなどは1日で9万人も感染者が増え累計で米国に次ぎ世界2番目となった。大都市から医療体制の脆弱な地域にどんどん広がっている。

 コーツ氏は「(コロナが)流行したままの国から参加する選手もいるだろう」として受け入れる際の対策強化も指摘したが、開くのは日本だ。選手や関係者、観客らを合わせれば数十万人が押し寄せる。対策の徹底で国内で終息しても、人とともにウイルスも集まり感染爆発、医療崩壊が起きかねない。

 唐突な発言には憶測も飛び交う。折しも自民党総裁選は8日に告示され、安倍首相の後継レースがスタートした。「こっちは、この通り五輪はやるつもりだ。安倍首相は本当に一生懸命だった。次のリーダーが“オレは知らない”じゃ済まない」とコーツ氏がここぞとばかりくさびを打ち込んだ、とは考えすぎか。

 IOCは延期に伴う追加費用のうち860億円を負担するが、開催すれば何とか収入は確保される。人の命より金…。オーストラリア出身のコーツ氏に聞いてみたい。もし五輪が自国開催だったら「あろうが、なかろうが」なんて簡単にいえるか、と…。(今村忠)