2020.9.7 05:00

【甘口辛口】欧州で感染再拡大、IOC会長は静観…東京五輪無理なら潔く方向転換し32年に名乗り上げては

【甘口辛口】

欧州で感染再拡大、IOC会長は静観…東京五輪無理なら潔く方向転換し32年に名乗り上げては

 ■9月7日 欧州では新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻のようだ。フランスでは4日の新規感染者が8975人と、第1波のピーク3月31日の7578人を超え過去最多となった。一日で大阪府の累計感染者8976人(5日現在)と同数とは、日本から見れば驚きだ。スペインでも同日1万476人を数えた。

 経済活動再開とバカンスによる緩みが招いた強烈な第2波のようだ。そんな折、WHO(世界保健機関)のスワミナサン主任科学者はワクチン開発について言及。臨床試験中の候補のうち9つが最終段階まで進んでいるが、「各国で供給が始まり予防接種ができるようになるのは来年中頃」とした。

 ということは、世界中に行き渡るのはもっと先になる。開催はワクチン次第ともいわれる来夏の東京五輪に向けコロナ対策を検討する政府の調整会議初会合では、外国選手らの水際対策など具体的な予防策を12月中に中間とりまとめを示すことを決めた。検討すべきことは「きりがないほどある」という。

 そこまでして国内の状況を整えたとしても、第2派襲来の欧州など世界から見れば五輪どころではないだろう。開催の決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にあるが、極力損失を避けたいのかバッハ会長は黙って見ているだけ。「いかなる状況なら開催できるのか」と会長に正面切って問いかけてもらいたい。

 女子マラソン五輪メダリストの有森裕子氏は「選手側に残された時間は少ない。開催可否は遅くとも年内に決めてほしい」と訴えているのに、中間とりまとめが12月とはのんびりしすぎだ。無理なら無理で潔く方向転換し、32年五輪に再度名乗りを上げる手もあるのではないか。(今村忠)