2020.3.28 05:00

【甘口辛口】コロナ禍で伝統ある模様が再注目 「市松座り」合言葉にJ再開とプロ野球開幕を目指してほしい

【甘口辛口】

コロナ禍で伝統ある模様が再注目 「市松座り」合言葉にJ再開とプロ野球開幕を目指してほしい

 ■3月28日 2月に東京・元赤坂の迎賓館赤坂離宮へ初めて足を踏み入れた。特別展「1964年東京オリンピックがつくられた場所」を見るためだ。迎賓館に前回東京五輪の組織委員会事務局が設置されていたことから企画。シャンデリアに蛍光灯が取り付けられた奇妙な広報室の写真は目を引いた。

 東宮御所として09(明治42)年に誕生した日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋宮殿。創建100年を迎えた2009年には本館、正門、噴水などが国宝に指定された。海外からの賓客を最初に迎える玄関ホールの床は市松模様だ。

 開催が来年に延期された東京五輪・パラリンピックのエンブレムと同じ。奇妙な符号にちょっと驚いた。市松模様は『暮らしのことば 語源辞典』(講談社)に「江戸中期の歌舞伎役者、佐野川市松が、舞台でこの模様の裃(かみしも)を好んで着用したのが流行し、この名がついたという」とある。

 新型コロナウイルス禍で、この伝統ある模様が再び注目を集めるかもしれない。公式戦再開を目指すサッカーJリーグが、独自の対策としてアウェー席の撤去、座席の前後左右を空席にするなど密集、密接を避ける案を掲げたから。「座席の前後左右を空席にする」ことで浮かび上がるのは市松模様なのだ。

 24日付の当欄で今村記者は、大相撲夏場所を開催するなら「マス席は市松模様のように一マスおき、イス席も一席おきに」と提案。観客がつくる市松模様こそ大規模イベントを実現させる妙手であり、東京五輪を成功させようという願いを込めたエールにも見える。首都封鎖案や選手の感染など道は険しいが、「市松座り」を合言葉にJリーグ再開とプロ野球開幕を目指してほしい。 (鈴木学)