2020.3.25 05:00

【甘口辛口】想定通りだが展開は急だった東京五輪延期 「希望の火」どうやって1年間灯し続けるのか

【甘口辛口】

想定通りだが展開は急だった東京五輪延期 「希望の火」どうやって1年間灯し続けるのか

 ■3月25日 「東京五輪延期」は世界の現状から見て、大方は「やっぱり」と冷静に受け止めたのではないか。国際オリンピック委員会(IОC)は延期を含め4週間以内に結論を出すとしていたが、バッハ会長は24日の電話会談で安倍晋三首相の「1年程度の延期」申し入れに全面的に同意したという。延期は想定通りだが、展開は急だった。

 気になっていたのは、聖火リレーは延期でも予定通り26日に福島県のJヴィレッジを出発するという報道だった。IОCが結論を出すまではランナーによるリレーではなくランタンを車に積んで予定のコースを回る形式だが、車で回って何の意味があるのかと思った。

 第1走者を務めるはずだった女子サッカー「なでしこジャパン」のメンバーで、米国在住の川澄奈穂美は「移動時にリスクが高い。自分が感染しない。感染源にならない」と辞退した。まさに正論で外出禁止令でがんじがらめの外国から見れば、この期に及んで日本はまだ聖火にこだわって奇妙なことをしていると思われたかもしれない。

 「復興の火」として展示された仙台駅には、5万人が集まるなど心待ちにしていた被災地の人たちにとっては落胆は大きいだろう。かといって車に積んだランタンの火を見て誰が喜んだか。結論が出るまでは「意地でもやる」といった感じもして、逆に人の心を踏みにじることになりかねなかった。

 途中で打ち切りでは「そら見たことか」と世界の笑いものだが、余計な心配だった。さすがに1年間の延期で合意となっては中止にせざるを得なかった。「希望の火」は絶やしてはならないが、どうやって1年間灯し続けるのか。世界の注目はそこに集まりそうだ。(今村忠)