2020.3.22 05:00

【甘口辛口】往来自粛要請で足並み乱れる大阪と兵庫 ドロドロの縄張り争いに見えてしまう地方政界の動きに鼻白む思い

【甘口辛口】

往来自粛要請で足並み乱れる大阪と兵庫 ドロドロの縄張り争いに見えてしまう地方政界の動きに鼻白む思い

吉村洋文大阪府知事

吉村洋文大阪府知事【拡大】

 ■3月22日 仕事に出ようとした21日朝、東京都内にある近くの神社から「ホーホケキョ」と澄んだ美しいさえずりが聞こえてきた。別名・春告鳥(はるつげどり)といわれるウグイスの初鳴きだった。桜の開花に誘われるように姿を現したのか。小欄にとっては毎年、耳から春を実感できるひとときでもある。

 ただ、ウグイスにとっては生存競争に欠かせないアピールでもあるそうだ。鳥類図鑑などによると、「ホーホケキョ」はメスへの求愛と縄張りを主張するオスの鳴き声だという。なんともいじらしいが、同じ自己主張でもドロドロした縄張り争いに見えてしまう地方政界の動きには鼻白む思いだ。

 それは20日から始まった大阪府-兵庫県の不要不急の往来自粛の呼びかけである。コロナ禍の続く中、大阪府の吉村洋文知事が18日、「兵庫県では爆発的な感染がいつ起きてもおかしくない」と宣言して提案したのが発端だった。兵庫県の井戸敏三知事は「大阪はいつも大げさ」と不快感をあらわにした。

 いずれも国の専門家チームの提案を受け、井戸知事も結局は不要不急の往来自粛要請を打ち出した。が、大阪府は22日まで、兵庫県は24日までと足並みが乱れている。大阪府と兵庫県は、地続きの隣県同士。困るのは府県民だ。両知事とも地元民の命を守るために必死なのは分かるが、せめて吉村知事は宣言の前に井戸知事に一言、声をかけるべきだった。

 人類共通の見えない敵は地域ごとに暴れ方が違うため、地方公共団体のトップはますます責任が重い。戦国時代のような争いをしている場合ではない。政治的な立場の違いはさておき、大人として当然するべき連絡からまず密にしてほしいものだ。 (森岡真一郎)