2020.3.20 05:00

【甘口辛口】寂しさ感じた歓声のない甲子園 5月中に終息見込み立たなければまた議論が出るだろう

【甘口辛口】

寂しさ感じた歓声のない甲子園 5月中に終息見込み立たなければまた議論が出るだろう

 ■3月20日 本来なら選抜高校野球開幕日だった19日。メインの仕事先がなくなり、少し前に甲子園球場を訪れたときのことを思い出しながら書いている。まだ無観客で準備していた7日に、未体験だったので、球場取材の前後に阪神のオープン戦をのぞいた。まずコロナ対策。報道陣は入場時に体温計を耳の穴に入れ、クリアなら検温済みシールをはる。スタッフがアルコール消毒液を両手に吹き付ける。記者席に上がり、誰もいない観客席を見下ろして試合が始まった。

 投球が捕手ミットに収まる音、打球音が目立ち、ベンチの掛け声やヤジ、バックネット側の外にある阪神高速の車の走行音が聞こえた。そして選手紹介のアナウンス。ファウルボールを探すスタッフがなかなか見つけられない。テレビで見ていただけでは分からなかった。歓声のない広い甲子園は本当に寂しく感じた。

 もし無観客で開催されていれば、選手たちは戸惑ったことだろう。それでも選抜出場に至るまで真剣勝負を続けてきた球児たちには、甲子園で戦うことに意味があった。歓声はないが、強者同士の試合で、集中の先にどんなプレーが飛び出していたのか…。

 でも振り返るのはここまで。選抜は開幕せぬまま終わり、そして局面は次へ移る。もう夏の懸念が頭をよぎる。今、スポーツ界最大の焦点は8月9日まで開催予定の東京五輪の延期・中止の可能性。甲子園大会は8月10日開幕だが、代表を決める都道府県大会は例年6月20日過ぎから。抽選は6月上旬で、5月中に夏のコロナ禍終息の見込みが立たなければ、また中止、延期、無観客などの議論が出てくるだろう。次の運営委員会は4月末の予定。そんなに先の話ではない。 (宮本圭一郎)