2020.3.14 05:00

【甘口辛口】高校野球には国民的行事の側面 楽しみにしていた国民のため実施してほしかった

【甘口辛口】

高校野球には国民的行事の側面 楽しみにしていた国民のため実施してほしかった

選抜高校野球大会の中止を発表する(右から)高校野球連盟会長・八田英二、毎日新聞社社長・丸山昌宏、毎日新聞社大阪代表・斉藤善也

選抜高校野球大会の中止を発表する(右から)高校野球連盟会長・八田英二、毎日新聞社社長・丸山昌宏、毎日新聞社大阪代表・斉藤善也【拡大】

 ■3月14日 フリーアナウンサーの大橋未歩が、一段落を「ひとだんらく」と言う人に「いちだんらく」が正しいとつい指摘してしまうとテレビで話していた。小欄も同じ。デスクに「『いちだんらく』の誤読による誤用。わざわざ仮名書きで『ひと』としてはいけない」という小紙のハンドブックを見せて注意したことがある。

 閑話休題。ニュースを独占している新型コロナウイルス禍は、一段落すらつかない。プロ野球の開幕延期、サッカーJリーグの中断期間延長に続き、選抜高校野球大会の中止が決まった。個人的には無観客で実施してほしかった。外出を控えている高齢者や学生らにとって、NHKのセンバツ中継は重要な娯楽になると思っていたからだ。

 プロ野球とJリーグは入場料も重要な収入源。「観客ありき」の前提があるので公式戦を無観客で行えない。同じ興行である大相撲が入場料収入を捨てても無観客で実施したのは、テレビ桟敷で楽しみにしているファンのためでもあったろう。

 学校自体が止まっているのでセンバツも他の高校スポーツの全国大会との横並びを選んだのは十分に理解できるが、高校野球には他のスポーツにはない国民的行事という側面がある。コロナ禍で閉塞(へいそく)感が色濃く漂う今だからこそ、それを払拭する突破口として、テレビでの応援を楽しみにしていた多くの国民のためにも実施してほしかった。

 本丸の東京五輪はどうなるのだろうと心配していたら、WHOがパンデミック(感染の世界的大流行)を宣言した。国内で封じ込めても、世界中に広がれば手の施しようがない。詰まれた感がある。コロナで「一段落」と言える日は当分の間、来そうにない。 (鈴木学)