2020.3.9 05:00

【甘口辛口】コロナに危機感のぞかすトランプ氏 大統領再選で頭がいっぱい、東京五輪どころではない?

【甘口辛口】

コロナに危機感のぞかすトランプ氏 大統領再選で頭がいっぱい、東京五輪どころではない?

 ■3月9日 米国でも新型コロナウイルスの感染が拡大している。7日の一日だけで32人増え感染者が76人になったニューヨーク州でも8州目の非常事態宣言が出された。当初「わが国ではコントロールできている。心配するな」と楽観視していたトランプ大統領も、ジョージア州の疾病対策センターを視察するなどさすがに危機感をのぞかせている。

 11月の大統領選での再選で頭がいっぱいのトランプ氏にとっては、株価下落で経済政策が破綻することだけは避けたいだろう。「日本の感染対策はプロフェッショナル。東京五輪は予定通り開催されることを望む」と先月末に語っていたが、もう五輪どころではないかもしれない。

 折しもWHО(世界保健機関)の緊急事態統括、マイク・ライアン氏は「夏になれば(ウイルスが)消滅すると考えるのは誤った期待だ」と述べた。インフルエンザのように気温の上昇だけで終息が見通せないというから怖い。となると7月の東京五輪に向け日本国内で何とか終息させても、米国や欧州などで続いていたら開催は難しい。

 IОCの収入の7~8割を占めるのが米国のテレビ放映権料で猛暑の五輪も言うなりだが、感染拡大の米国が対コロナ戦争の“主戦場”になったらどうなるか。米国はじめ世界の一線級が続々辞退するような状況になれば、米テレビ局が「視聴率がとれない。やめた」と言い出しかねない。

 SMBC日興証券の試算では五輪中止の場合、国内で約7・8兆円の経済損失が生じ日本経済は大打撃を受けるという。それだけはご免被りたい。開催に向けてやるべきことはやり努力を続けるのは当然だが、開催できるかどうかは米国次第とも思えてしまう。 (今村忠)