2020.3.8 05:00

【甘口辛口】新型コロナ乗じた買い占めや詐欺は言語道断 日本人は節度という覚悟も試されている

【甘口辛口】

新型コロナ乗じた買い占めや詐欺は言語道断 日本人は節度という覚悟も試されている

 ■3月8日 「別れ」がテーマのドラマは数あれど、この作品もそうだったのか…。小欄は恥ずかしながら家人から言われて、なるほどと思った。「ほとんどの登場人物が別れのあいさつをするとき『さいなら』ってキッパリ言う。『またね』とか付け加えない。別れに対する覚悟を感じる」と感想を漏らしたからだ。

 関心のない人には申し訳ないが、28日まで続くNHK連続テレビ小説「スカーレット」のことである。昨年9月から見てきて、戸田恵梨香(31)演じるヒロインの陶芸に対する情熱がテーマと思っていた。それもあるにはあるが、人には思いがけぬ別れや運命が訪れるという裏テーマがあると確信した。

 何を今さらと言われそうだが、ヒロインの離婚や両親の死、息子の病気などのストーリー展開に加え、家人の見方でようやく気付いた。Superflyが歌う主題歌「フレア」にも、よく聴けば「サヨナラ」という歌詞が出てくる。お笑いコンビ、TKOの木本武宏(48)が信楽太郎として歌った劇中歌のタイトルは、まさに「さいなら」だった。

 3月は卒業、転勤など別れの季節だけに、タイムリーなドラマとも言える。しかし、現実では卒業式の中止など端から見ても切ない状況が続いている。例年11日に各地で開かれる東日本大震災の追悼式も中止や規模縮小がほとんど。それでも、感謝の思いを失わなければいいのではないか。

 愛知県では4日、新型コロナウイルスにかかった50代の男が飲食店に入り「ウイルスをばらまいてやる」と息まいて、地元の警察が出動する騒ぎに発展した。言語道断だ。買い占めや混乱に乗じた詐欺も同じ。節度という覚悟も今、日本人に試されている。 (森岡真一郎)