2020.2.27 05:00

【甘口辛口】まさに“呪われた五輪”…最後にとてつもない難敵の出現、思い切った手を打たないと外国は不安視するばかり

【甘口辛口】

まさに“呪われた五輪”…最後にとてつもない難敵の出現、思い切った手を打たないと外国は不安視するばかり

 ■2月27日 東京五輪の開催を危ぶむ声が出始めている中、開催可否判断は「5月末が期限」とIOC委員のディック・パウンド氏が見解を示した。コロナウイルス感染終息のデッドラインが7月24日の開会式の2カ月前で、事態の収束が見込めない場合は延期や代替開催は難しく「中止を検討するだろう」と語った。

 1978年から委員を務める77歳の同氏は副会長も経験したIOC最古参。世界反ドーピング機関(WADA)の委員長や、2002年ソルトレークシティー五輪の不正招致問題で調査部会長を務めた。うるさ型で知られているだけに、その踏み込んだ発言は影響力がある。

 東京都や組織委員会が「大丈夫」といっても選手の健康を守るのがIOC。「五輪憲章」第1章の「IOCの使命と役割」には「選手の医療と健康に関する対策を促し支援する」との一項があり、これを持ち出されると弱い。「日本がいうなら」とIOCが了解しても「派遣は見合わせる」と各国NOCからボイコットの連鎖反応が起きかねない。

 「五輪ありき」で国は感染を極力小さく見せることで頭がいっぱいなのか。厚労省に丸投げしたまま拡大阻止の本気度が見えない。開催国だからこそ、思い切った手を打たないと外国は不安視するばかりだ。「(発言は)IOCの公式見解ではない」と橋本聖子五輪相が火消しに走っても、外堀は次第に埋められているように見える。

 新国立競技場のデザイン変更、エンブレム盗作疑惑、マラソン・競歩の札幌移転…。最後にとてつもない難敵の出現で、まさに“呪われた五輪”でもある。早い収束を祈るほかないが、事ここに至っては中止も視野に入れる必要がありそうだ。 (今村忠)