2020.2.25 05:00

【甘口辛口】ウイルス検査では民間機関を遠ざけ、大学入試は民間と組もうとして受験生を翻弄…国のやることはさっぱりわからない

【甘口辛口】

ウイルス検査では民間機関を遠ざけ、大学入試は民間と組もうとして受験生を翻弄…国のやることはさっぱりわからない

 ■2月25日 「選手の命を危険にさらすことはできない」と、サッカーのU-23南アフリカ代表が来日を拒否したという。3月27日、京都で同日本代表と国際親善試合を行う予定だった。南アではまだ新型コロナウイルスの感染例はないが、2015年にアフリカで猛威をふるったエボラ出血熱で感染症の怖さが身に染みているのではないか。

 「大げさな」と思うのは日本だけで、これが外国から見たいまの日本の姿だろう。クルーズ船からは乗客23人と、船内で業務にあたった厚労省職員90人も検査なしで下船し職場に復帰していた。ざるで水をすくうようで、日本の売りだった衛生観念の高さは音を立てて崩れていく感じだ。

 感染者が急増中の韓国では危機レベルを4段階で最高の「深刻」に引き上げた。検査能力は1日5000件で早急に1万3000件に拡大するという。日本は一部民間に要請し18日から件数が増えたとはいえ約3800件がやっと。医院で検査が必要と判断しても保健所の段階で断られるという。

 文科相の失言から土壇場で白紙になったが、大学入試では抜本的見直しで民間の英語試験導入が決まっていた。入試で「民間活用」を叫びながらウイルス検査では能力的に遜色ない民間機関をなぜフル活用しないのか。検査を受けられなければ相応の治療もできない。感染も不明のまま、あっという間に重症化するケースも増えるだろう。

 民間と一緒に甘い汁を吸おう? と受験生を翻弄したかと思えば、不都合なことでもあるのか民間は遠ざけて人々の不安を増幅させる。国のやることはさっぱりわからない。とにもかくにも、一日も早くしっかりとした医療態勢が整うことを祈るばかりだ。 (今村忠)