2020.2.24 05:00

【甘口辛口】五輪相は「全く問題ない」森会長は“根性論”…新型コロナで世界に心配をかけた事実を認め、開催へ努力するのが筋

【甘口辛口】

五輪相は「全く問題ない」森会長は“根性論”…新型コロナで世界に心配をかけた事実を認め、開催へ努力するのが筋

 ■2月24日 昭和39年、東京五輪を控えた3月にライシャワー駐日米国大使がナイフを持った少年に襲われる事件が起きた。大使は一命を取りとめたが、手術後に肝炎を引き起こした。当時は金稼ぎの「売血」が公然と行われ、ウイルスに汚染された血が輸血されたためで五輪開催国日本の医療は国際的な信用を失いかけた。

 歴史は繰り返すとはこのことか。今夏の東京五輪を前に新型コロナウイルスの感染拡大でクルーズ船の対応が海外から批判を浴びたうえ、下船した乗客23人について今月5日以降の観察期間にウイルス検査をしていなかったというミスが発覚した。次々にボロが出て日本の医療への信頼は薄らぐばかりだ。

 SARSより感染力は低い、との見通しも甘かった。高温多湿に弱いとされるウイルスでも、新型コロナは「気温、湿度の常識に合わない」と米ハーバード大は研究報告している。夏まで増殖が続けば東京五輪への影響は大で、ここにきて欧米のメディアから開催を危ぶむ論調が次々に聞かれるのは無理ない。

 ロンドンの市長選では「東京に代わって開催する用意がある」とのアピールも飛び出している。これらに対し橋本聖子五輪相は「現時点では開催に全く問題ない」と強調し、組織委員会の森喜朗会長に至っては「私はマスクしないで最後まで頑張る」と昔ながらの“根性論”まで持ち出した。

 日本への渡航注意や警戒を呼びかける国も増えている。予定通り開いても世界からソッポを向かれ観光客が来なければ五輪は成り立たない。「開催危機」にムキになって反論するのではなく、世界に心配をかけた事実は素直に認めたうえで開催へ最大限努力するのが筋というものだろう。 (今村忠)