2020.2.22 05:00

【甘口辛口】まさに「万事塞翁が馬」の藤田菜七子と桃田賢斗 元気な姿見せた池江璃花子が大きな発奮材料となったのでは

【甘口辛口】

まさに「万事塞翁が馬」の藤田菜七子と桃田賢斗 元気な姿見せた池江璃花子が大きな発奮材料となったのでは

 ■2月22日 「人間万事塞翁が馬」。広辞苑(第五版)に「塞翁の馬が逃げたが、北方の駿馬を率いて戻って来た。喜んでその馬に乗った息子は落馬して足を折ったが、ために戦士とならず命長らえたという故事」とある。人生における幸不幸は予測できないことのたとえだ。

 15日に落馬負傷した藤田菜七子騎手は、まさに万事塞翁が馬。日本の女性騎手として初めてJRAの重賞を勝つなど国内競馬史を塗り替えてきたが、JRA通算100勝まであと3勝で左鎖骨骨折という人生初の大けがを負った。28日にサウジアラビアで行われる騎手招待戦もキャンセル…。

 塞翁が馬はバドミントンの桃田賢斗もそう。リオ五輪の前に違法賭博で無期限出場停止処分に。復帰後、日本男子初の世界ランク1位となったが、今年1月に交通事故に遭う。奇跡的に軽傷で済んだはずが、眼窩底骨折が判明して手術を受けた。

 「物事に一喜一憂するな」が塞翁が馬の真意だが、人間ゆえ一喜一憂してしまう。そんな折、急性リンパ性白血病と闘っている競泳女子の池江璃花子が19日、約1年前に病名が判明してから初めてテレビに出た。「ここにいることが奇跡だし、生きていることが奇跡」と彼女は言う。

 病名を告げられた際は「本当にショックで大泣きした。でも、部屋に戻ったら、頑張るしかないと切り替えた。本心でポジティブな気持ちでした」。今後の目標は「(2024年)パリ五輪。パリが駄目でも次があると思っています。目標は必要。水泳だけでなく人生において」。19歳の気持ちの強さに心を揺さぶられた。平凡な人生の小欄でそうなのだから、同じアスリートの菜七子や桃田には大きな発奮材料となったはずだ。 (鈴木学)