2019.11.30 05:00

【甘口辛口】「1人で生きていくの難しい」と凶行に及んだ小島被告 生きることの尊さ、自然と身につく教育の大切さ思わずにはいられない

【甘口辛口】

「1人で生きていくの難しい」と凶行に及んだ小島被告 生きることの尊さ、自然と身につく教育の大切さ思わずにはいられない

 ■11月30日 東京の地下鉄で先日朝、満員の車内に中年らしき男性乗客2人の声が響いた。「なんで押すんだ!」「そっちだろ!」。片方が激高して「次で降りろ」と促し、片方が渋々応じて2人とも次の駅で降りた。その後どうなったか知らないが、大の大人がそんなことで…と車内にはあきれた空気が漂った。

 あすから師走。忙しくてイライラしがちな時期でもある。スマートフォンなどに夢中になって、自分のスペースを確保しようと他人を押しのけたり、足を踏んづけたりしてしまう。その結果、他人をムッとさせることは小欄もままあり、人ごととは思えない。高齢ドライバーをはじめ、誰もが他人を巻き込む事件を起こしうる時代でもある。

 とはいえ、「誰でも良かった」などという身勝手な無差別殺人事件が起きたり、裁判があるたびに到底、許し難いと思う。昨年6月に東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件の初公判が28日、横浜地裁小田原支部であった。小島一朗被告(23)は「なたとナイフを持って、見事に殺しきりました」と語った。

 謝罪の言葉は一切なく、「見事に」という言葉に背筋が凍りついた。両親との関係が良好ではなく、「社会で1人で生きていくのは難しい」と犯行に及んだ。まだ23歳。本人だって、これから楽しいことは山ほどあったろうに…。ともあれ、刃物を持った無差別殺人から身を守るすべはないわけではない。

 ある捜査関係者は(1)犯人に背を向けるな(2)両手でボクサーのようにガードせよ(3)新聞や雑誌も丸めれば、防御できる-と指摘する。しかし、急がば回れ。生きることの尊さが自然と身につく教育の大切さを改めて思わずにはいられない。 (森岡真一郎)