2019.11.27 05:00

【甘口辛口】将棋ユーチューバー「アゲアゲさん」幼きころの夢に挑む 編入試験の第1局で快勝

【甘口辛口】

将棋ユーチューバー「アゲアゲさん」幼きころの夢に挑む 編入試験の第1局で快勝

 ■11月27日 いま将棋界で一番注目されているのは「アゲアゲさん」ではないか。アマチュアの強豪で「将棋ユーチューバー」の折田翔吾さん(30)がプロ入りを目指す棋士編入試験5番勝負の第1局で快勝した。ユーチューブに開設した「アゲアゲ将棋実況」は総視聴回数2100万回以上と大人気で「アゲアゲさん」の愛称がついたという。

 プロへの登竜門、奨励会の三段リーグに5年在籍したが、プロ棋士の四段昇段は成らず年齢制限により26歳で退会。その後、自身が指すインターネット将棋を配信する将棋講師として活動。アマで出場資格を得たプロ棋戦で直近10勝2敗とし、編入試験の受験資格をつかみ取った。

 年齢制限で退会した奨励会員は大学に入り直したり「読み」を生かして証券会社に就職するなど第二の人生を歩む。幼いときから追い続けた夢が破れ挫折感は大きく「負け組」のイメージもついて回るが、四段との棋力は紙一重。たとえば、将棋道場を開くなら資金援助するとか将棋連盟がセカンドキャリアをもっと支援すべきとの声も聞いた。

 編入試験はかなりハードルは高いものの唯一といえる救済制度。過去にも2005年に元奨励会三段で会社員だった瀬川晶司現六段が、特例で実施された試験(06年に制度化)を突破している。「アゲアゲさん」の今後の相手は初戦の黒田尭之四段同様、20代前半の若い四段勢が待ち構える。

 「人生がかかった折田さんに対し若い棋士は相手を試験するような対局には慣れてない。気持ちの重さが表れそうな対局だ」とある棋士。何といっても折田さんにはユーチューブを通じてファンの後押しが大きい。あと2勝で異色の棋士誕生となるが、さて…。(今村忠)