2019.11.24 05:00

【甘口辛口】ノムさんいわく「代表的なアホ」新庄剛志氏 プロ野球界に奇妙なヤツがひとりぐらいいてもいい

【甘口辛口】

ノムさんいわく「代表的なアホ」新庄剛志氏 プロ野球界に奇妙なヤツがひとりぐらいいてもいい

 ■11月24日 スマホで速報を読んで思わず吹き出した。本紙専属評論家でもある野村克也氏が自身の著書刊行イベントで「代表的なアホや」とつぶやいたという。名指したのは新庄剛志氏。今、プロ野球の現役に復帰すると宣言して世間を騒がせている47歳だ。ユニホームを脱いで13年。まあ、誰だって驚く。

 実は吹き出した理由は別にある。同じフレーズを21年前に聞いていた。言った人物も、言われた人物も同じ。阪神監督に就任したばかりの野村氏が秋季キャンプで、当時型破りなスタイルで人気を集めていた新庄氏とグラウンド上で延々と雑談したときのことだ。「下半身を強化しろ」。そう指示した指揮官に対して…。

 「嫌です。下半身を鍛えたらジーパンが似合わなくなるんで」。すっかり有名になった“おバカ”な問答だが、ノムさんが直後に報道陣に歩み寄って発したのが冒頭のセリフだった。ただ、大爆笑する虎番記者に向かって「でもアイツ、かわいいな」と続けた。奇妙な師弟関係が生まれた瞬間だった。

 以後、大監督は「代表的アホ」をかわいがり、投手に挑戦させたり、あえて「イチローより上」と絶賛してみたり。「阪神監督時代はいい思い出は1つもない」とボヤく最近でも「新庄の思い出は?」と尋ねると、優しいまなざしになる。一方、新庄氏も敬遠球を打ってサヨナラ打したり“やりたい放題”だった。

 ちなみに、関西以外の方に「アホ」はいいイメージに聞こえないようだが、関西人に言わせれば「愛すべきやつ」と共通語としても用いる。関西人・野村克也ならではの愛情表現と感じている。破天荒な言動の選手が消えつつある今のプロ野球界。奇妙なヤツがひとりぐらいいてもいい。 (上田雅昭)