宙を舞う近藤隼人さんの1匹目のタチウオ。優勝への快進撃がここから始まった【拡大】
タチウオの波止釣りナンバーワンを決める「サンスポ杯タチウオ甲子園2019 波止」の決勝が10日、尼崎市の「武庫川渡船」で開催された。数釣りで競う「数部門」は、昨年1匹差で2位に泣いた近藤隼人さんが25匹を釣り、今度は1匹差で2代目王者の栄冠を獲得。2人で釣ったタチウオの最大幅の合計で競う「幅部門」は、門野利次さん、土屋武政さんペアが合計153・00ミリで優勝した。
1年前の悔しさを予告通りに晴らした、会心の笑顔だった。5回行われた予選を初日に1位で通過し、精鋭15人による決勝でも25匹釣って1位。サンケイスポーツ釣り協力会の岸田浩晃事務局長から優勝盾を受け取った近藤さんが言い切った。
「五分五分ぐらいで、(優勝盾を)取れるかなと思ってました」
穏やかな晴天、微風の好コンディション。午後2時からの開会式のあと、まず釣り座を決める抽選が行われた。予選の順位に従って数部門15人と、幅部門11組がくじを引き、1から26までの番号順に並んで釣りをする方式だ。
選手は3時の便で沖の武庫川尻一文字波止へ。6番の船着場で下船し、くじ番号1番から西へ番号順に釣り座についた。近藤さんは「22番」で、かなり西寄り。もっとも西側の「26番」には浅井悠さんが入った。
各選手が手早く準備を進め、3時30分釣り開始。37人が一斉に竿を出す、というわけではない。タチウオの時合は夕方が多いが、潮によっては時合が訪れないこともある。船着場に最も近い「1番」を引いた加藤順一さんは、最初は竿を出さず歩いてコンディションと敵情を視察。流儀はさまざまだ。