2019.11.17 05:00

【甘口辛口】阪神・井上打撃C、「監督にNO」と言えることを期待 スタメン落ち危機でコーチに救われた過去

【甘口辛口】

阪神・井上打撃C、「監督にNO」と言えることを期待 スタメン落ち危機でコーチに救われた過去

 ■11月17日 「監督、それはアカン。納得できん」「そんなことユーても、リフレッシュが必要や」「指導者には我慢が必要やとユーたのは監督やないの?」「だから我慢したやないか」「頼むから、もう1試合、使ってくれ。きっと打つから。この通りや」「わかった。スタメンでいこう」-

 1999年、故星野仙一氏率いる中日は開幕から破竹の11連勝。「7番・右翼」の井上一樹氏は開幕から21試合連続安打を記録し、快進撃を支えた。ところがチームの失速とともに、バットにも陰りが見えた。6月の、ある試合後のコーチミーティングで星野監督は翌日の井上氏のスタメン落ちを口にした。

 闘将の提案に断固として反対したのが水谷実雄打撃コーチ。冒頭の『口論』の末、井上氏のスタメン続行が決まった。翌日の試合は本塁打。泣きながら井上氏はグラウンドを一周。その年のリーグ優勝を決めた試合では決勝適時打を放った。

 「あとから、その話を聞いて、うれしかった…。本当にうれしかったです」。感謝の思いを忘れない井上氏は今秋から阪神タイガースの打撃コーチに矢野監督に請われて就任した。現在、高知・安芸で行われている秋季キャンプで精力的に指導している。

 志半ばで退いた金本知憲前監督のように『熱さ』を押し出すと、あるいは、使い方を間違ってしまうと、選手は離れてしまう。最近の阪神を見ると、そんな気がしてならない。最後のリーグ優勝は2005年。これからは2、3年に一度は優勝を味わえると思ったファンが多いはず。井上新コーチに期待したいのは「監督にNO」と言えること。それに尽きる。来季はタテジマの背番号「99」の言動にご注目を- (稲見誠)