2019.11.9 05:00

【甘口辛口】苦しい弁明に終止する森田健作氏 誰のためにまっすぐ生きるべきか肝に銘じて

【甘口辛口】

苦しい弁明に終止する森田健作氏 誰のためにまっすぐ生きるべきか肝に銘じて

 ■11月9日 中高年には懐かしい昭和40年代の青春ドラマの傑作「俺は男だ!」。元俳優で現千葉県知事の森田健作氏(69)が、さわやかで正義感あふれる主役の高校生、小林弘二を演じ、人気が沸騰した。あのイメージと重ねて森田氏を見てきた世代の一人として、9月に千葉県を直撃した台風15号に対する姿勢はまったくいただけない。

 千葉県南部を中心に、家屋の倒壊や停電、断水など甚大な被害を出した台風15号。森田氏は台風の上陸した9月9日は終日登庁せず、初動の遅れを批判されてきた。しかも、やっと県の災害対策本部が設置された翌10日午後、発売中の週刊文春によると、公用車で県庁から約30キロ離れた県東部の別荘に行ったという。

 森田氏は今月7日に行った定例会見で、「別荘」ではなく「自宅」で、私的視察のため私用車に乗り換えたので「問題ない」と言い切った。しかし、その視察内容は街の人に話も聞かずメモも取らず「(車内から)パッとスルーして見た。これが自分の政治スタイル」と苦しい弁明に終始した。

 本来は災害対策本部で市町村など関係各所と緊密に連係しながら陣頭指揮を執るなり、被災地を視察するのが「小林弘二」を演じた男にふさわしい動きではないか。確かに、普段は日曜午後のTBSラジオ番組などを通じ、県特産のイチゴや落花生を積極的にPR。努力はしている。

 しかし、県民の命や財産が危機に直面したとき、知事の最大の役目は迅速な対策を取ることだ。ちなみに、「俺は男だ!」の主題歌でヒットした「さらば涙と言おう」で、森田氏はまっすぐに生きることを歌っている。今一度、誰のためにまっすぐに生きるべきか、肝に銘じてもらいたい。 (森岡真一郎)