2019.11.2 05:00

【甘口辛口】相次ぐ不謹慎動画、心無い動画に苦言の一つも言いたくなる

【甘口辛口】

相次ぐ不謹慎動画、心無い動画に苦言の一つも言いたくなる

 ■11月2日 映像関連会社に勤める知人が先日、こんな話をしてぼやいた。「個人的にも数カ月前から、スポーツ関連の動画を撮って編集して、SNSに上げてるんだけどね。広告収入は毎月約1万円にしかならない。まだまだ技量が足りないなあ」。続けて「最近は高校生の中にも、完成度の高い動画を上げる子がいる」と舌を巻いていた。

 動画配信サイト、You Tubeに動画をアップして広告費などで収入を得るユーチューバーは今や、小中学生の憧れの職業ランキング上位。高校生や大学生だけでなく、あるアンケートによると、それを副業とする会社員も増加傾向にある。ユーチューバー養成学校もできてきた。

 それ自体は世の流れだろうが、心ない動画には苦言の一つも言いたくなる。先月31日に発生した沖縄県の世界遺産・首里城の火災をめぐっては、「犯人は自分」と名乗る男も出現。拡散・炎上するや削除され、嘘の可能性が高い。再生回数稼ぎが目的なのか、それとも単なる目立ちたがり屋か。

 海外のテロ事件直後、嘘の犯行声明で情報操作するテロ組織も散見するが、あれをまねたのか。いずれにせよ、喪失感や悲しみが広がる中、平然と顔を出す神経が分からない。最近では、富士山を登る様子をライブ配信していた男性が滑落死した事故で、安否不明のときに「無事生きてます」と顔出しで故人になりすました男もいた。

 法曹関係者によると、いずれも虚偽申告などの軽犯罪法に問われる可能性はあるそうだが、実害がないなら無視するのが一番という声もある。文豪、夏目漱石は「情に棹(さお)させば流される」と書いた。それでも「情がなければ、情報ではない」と思いたい。 (森岡真一郎)