2019.10.28 05:00

【甘口辛口】東京五輪マラソン・競歩は札幌開催で落ち着きそう…4年後のパリでも同じ騒ぎ繰り返される可能性は十分

【甘口辛口】

東京五輪マラソン・競歩は札幌開催で落ち着きそう…4年後のパリでも同じ騒ぎ繰り返される可能性は十分

 ■10月28日 来年の東京五輪のマラソン、競歩の開催地はどうやら札幌で落ち着きそうだ。着々と準備を進めてきた東京都としては悔しいかぎりだろう。五輪の競技会場については「国際オリンピック委員会(IOC)と国際競技連盟(IF)との間で決定する」とされており、東京がいくら頑張っても覆す余地はないらしい。

 札幌開催でもIOCが望む札幌ドームでは、新たに陸上トラックやゲートの整備費が数十億円かかる。そこで札幌の象徴、大通公園を発着にする案が最有力になったという報道もある。では変更による追加費用はどこが払うのか。この流れでは都も組織委員会も札幌市も国も「ウチが持つ」というはずがない。

 「選手の健康が第一」と変更を決めたIOCの考えはわかる。もし猛暑のマラソンや競歩で命を落とす選手が出たら、五輪の存在意義すら問われることになる。それなら、緊急事態に備え組織委などが公表している「予備費」を充てたらどうかなどとケチなことを言わず、身銭を切ってもらいたい。

 莫大な放映権料を支払う米国のテレビ局の威光には逆らえず、夏季五輪の開催時期は7月下旬から8月上旬に限られている。地球温暖化が進む中、北半球ならどこへ行っても最も暑いこの時期の開催を続ける限り、マラソン、競歩はもちろん他の屋外競技でさえ実施は望ましくない。

 2024年の開催地パリでも、今夏42・6度という観測史上最高気温を記録した日があった。4年後、同じような騒ぎがパリで繰り返される可能性は十分だ。「いっそ、マラソンは最近暖冬で雪のない冬季五輪に移せば…」という知人の奇想天外な発想も、なぜかうなずけそうになる。 (今村忠)