2019.10.23 05:00

【甘口辛口】「東京=早朝」にこだわり続けたツケ 五輪マラソン、選手に「力すべて出せた」といってもらえてこそ成功では

【甘口辛口】

「東京=早朝」にこだわり続けたツケ 五輪マラソン、選手に「力すべて出せた」といってもらえてこそ成功では

 ■10月23日 「東京」開催支持が、おひざ元で半数を割ったのは意外だった。来年の東京五輪マラソン、競歩の開催地は「札幌」「東京」どちらがよいか聞いた産経新聞社とFNNの合同世論調査。北海道ブロックでは「札幌」が62・5%と歓迎ムードだったが、東京ブロックでは「東京」が49・1%で「札幌」の39・4%と大きな差はなかった。

 国際オリンピック委員会(IOC)が東京都や組織委員会に何の相談もないまま、16日に突然札幌への開催地代替案を発表した。「IOCは身勝手すぎる」「当たったチケットをどうしてくれる」などと批判が渦巻いたが、時間の経過とともに猛暑対策として一定の理解が進んでいるようだ。

 確かに東京同様、高温多湿のドーハ世界選手権のマラソンや競歩では選手は絶えず水分補給に追われ、一歩間違えれば命にかかわるような極限状態でのレースを強いられた。マラソンの棄権率約4割。「終わりよければすべてよし」というが、最後を飾る男子マラソンが同様では五輪全体の評価が正反対にもなりかねない。

 都が道路の遮熱性舗装にかけた約300億円がフイにはなっても、「選手の健康」の前には反対もしにくい。猛暑のマラソンは招致決定時から懸念され「夜間開催」「北海道か東北で分離開催」といった柔軟なアイデアが各分野から寄せられながら、「東京=早朝」にこだわり続けたツケともいえる。

 ともあれ選手には、よりよい条件の下で走らせてあげたい。ラグビーW杯も関係者の尽力でいい条件が整ったから記憶に残る数々の好試合も生まれた。五輪も「持っている力がすべて出せた」と選手にいってもらえてこそ、成功といえるのではないか。 (今村忠)