2019.10.21 05:00

【甘口辛口】「避難所に行けば安心、は幻想だった」東京の行政は自然災害慣れしていないのかも

【甘口辛口】

「避難所に行けば安心、は幻想だった」東京の行政は自然災害慣れしていないのかも

 ■10月21日 記録的大雨をもたらした19号が大きな爪痕を残したばかりなのに、また台風だ。19日夜に「強い台風」になった20号は四国沖に達する22日夜に温帯低気圧に変わるという。後続の21号は23日夜には「非常に強い」勢力になって東日本に近づく見通しで、こちらはくせ者らしい。もう勘弁してくれといいたくなる。

 東京都では大田区、調布市などへの災害救助法の追加適用が19日に発表された。これで同法の適用は7区17市3町1村。東京五輪のマラソンがこの期に及んで札幌開催に変更される問題で“蚊帳の外”におかれた小池都知事の怒りはわからないでもないが、いまは復興に全力で取り組んでほしい。

 下町に住む小欄の知人からは「小池知事にも真剣に考えてもらいたい」と、こんな体験談を聞いた。知人の家のすぐ近くを荒川の支流が流れ19号が上陸した12日夜、区から避難勧告が出て近くの小学校に避難した。「人生初の避難」で、校舎の2、3階の8教室が避難所に充てられた小学校に行って驚いたという。

 ただ教室を開放しただけで毛布もなければブルーシートも敷いてない。板張りの床に横になり一睡もできないまま一夜を過ごした。「慌てて着の身着のままするのが避難なのに、水や食料の用意も一切なし。命が大切だから逃げろといわれてもあれでは…。避難所に行けば安心、は幻想だった」と知人は苦笑いした。

 19号では首都圏の調節池などが総貯留量の9割にも達し危機が目前に迫っていたそうだが、東京の行政は自然災害慣れしていないのかもしれない。最近は「忘れた頃に…」ではなく、覚えているうちにやってくるのが「天災」。台風の避難所も地震並みの準備が必要だろう。 (今村忠)