2019.9.14 05:00

【甘口辛口】いきなり自らをクビにしたZOZO前澤氏 “天上の星”になる夢を諦める時期では

【甘口辛口】

いきなり自らをクビにしたZOZO前澤氏 “天上の星”になる夢を諦める時期では

サプライズで登場したソフトバンクグループの孫正義会長(左)と握手するZOZOの前澤友作前社長=12日午後、東京都目黒区(撮影・古厩正樹)

サプライズで登場したソフトバンクグループの孫正義会長(左)と握手するZOZOの前澤友作前社長=12日午後、東京都目黒区(撮影・古厩正樹)【拡大】

 ■9月14日 いきなり自らをクビにするとは驚いた。ヤフーの子会社となるインターネット衣料品通販大手のZOZO(ゾゾ)創業者で、12日付で社長を退任した前澤友作氏(43)である。会見では笑顔を見せつつ、社員たちへの思いを語る時は涙があふれ、深い苦悩もにじませた。

 前澤氏はZOZOの保有株売却で2400億円を得る見込みだが、趣味の絵画収集などで多額の借金があるとされる。報道陣から「借金分は2000億円を超えるのでは…」と質問されたが、今回の資本提携は「借金とは関係ない」と強く否定。宇宙旅行や新事業の立ち上げのため、自らの意向で退任したと強調した。

 前澤氏は昨年9月、「小さい頃から月が好きだった」として、米国の宇宙ベンチャー企業と契約し民間人初の月旅行者になることを発表。しかも、音楽家や画家ら8人ほどを招待し、「地球や月を見て作品にしてもらう」としていた。この月旅行は1人100億円以上かかるとみられ、さすがに今の状況では厳しいのではないか。

 それでも、前澤氏は今回「月の前にも宇宙に行きます。もうちょい近場に」と明言。「社会に役立つビジネスを新たにしたい」と前向きだ。ふと思い浮かぶのは、2024年度の上期に新一万円札の肖像となる明治時代の実業家、渋沢栄一である。渋沢は幾多の苦難に負けず、日本初の銀行など約500の企業を設立。社会公共事業にも貢献し「日本資本主義の父」と称される。

 災害被災地支援を続ける前澤氏と共通部分も多い。ちなみに、渋沢は、再来年のNHK大河ドラマの主人公。前澤氏も“天上の星”を目指す夢を諦め、“地上の星”となることを目指す時期ではないか。(森岡真一郎)