2019.8.22 05:00

【甘口辛口】大味になりがちな甲子園の決勝戦 休養日の有効性実証へ星稜・奥川と履正社・清水の投げ合いに期待

【甘口辛口】

大味になりがちな甲子園の決勝戦 休養日の有効性実証へ星稜・奥川と履正社・清水の投げ合いに期待

球場入りする星稜の林監督(右)と奥川(左から2人目)ら=甲子園球場(撮影・桐原正道)

球場入りする星稜の林監督(右)と奥川(左から2人目)ら=甲子園球場(撮影・桐原正道)【拡大】

 ■8月22日 あの笑顔は“野球版しぶこスマイル”といった感じだ。今日、甲子園大会で決勝戦を迎える星稜のエース奥川恭伸。試合中にものぞく笑顔は、すっかりトレードマークになった女子ゴルフの“しぶこ”こと渋野日向子の笑顔に負けない爽やかさがある。3回戦でタイブレークの死闘の末、智弁和歌山に勝ったときは校歌を聞きながらうれし泣きした。

 感情の起伏をできる限り抑えようとする選手も多い中で、喜怒哀楽がはっきりしていてインタビューの受け答えも堂々としている。ここまで4試合32回1/3を投げて自責点0とまさに快刀乱麻の投球。笑顔とともに好感度は1試合ごとに高まったのではないか。

 夏の大会では2013年から準決勝の前に休養日を設けたが、今年から決勝前日も休みにした。人気急上昇の奥川を擁する星稜と準決勝を休んだエース左腕清水が万全の履正社。願ってもない好カードで興行的には盛り上がったところで一気にやりたかったかもしれない。オールドファンには違和感もあるだろう。

 これも時代の流れで健康管理に世間の目も厳しくなった。休養日に続き「高校野球では邪道」といわれながらも昨年からタイブレークを導入。昨年の済美の13回逆転満塁サヨナラホームランに続き今年も星稜のサヨナラ3ランが飛び出した。劇的な結末でタイブレークへの異論はもう聞かれない。

 100回大会の昨年を境に少しずつでも変化が感じられる。いずれ球数制限にも踏み切らざるを得ないだろう。決勝は最近10年で2桁得点が6試合。投手が疲れ切って大味になりがちだが、今回は奥川、清水の投げ合いで引き締まったものにして休養日の有効性を実証してもらいたい。 (今村忠)

  • 球場入りする星稜・奥川=甲子園球場(撮影・水島啓輔)