2019.8.15 05:00

【甘口辛口】樋口さんと渋野の共通“キーワード”は陸上 女子ゴルフ先駆者の流れるようなハードリングは忘れがたい

【甘口辛口】

樋口さんと渋野の共通“キーワード”は陸上 女子ゴルフ先駆者の流れるようなハードリングは忘れがたい

 ■8月15日 「ハードルでかわいい1年生がいるって?」「向こうでアップしてるよ」「見に行こうぜ」。先輩たちはスタンドから一瞬にしていなくなった。陸上の東京都高校大会。私立の男子校陸上部員にとっては目の前の競技より気になるのは女子。目の大きい、ちょっぴりエキゾチックなその選手はまさにマドンナだった。

 中学生の時から80メートルハードル(当時)で全国的に知られ二階堂高に進学した。いま日本女子プロゴルフ協会(LPGA)顧問の樋口久子さん、その人だ。1年生ながら抜群の強さに小欄も息をのんだが、残念ながら1年で陸上界から消えた。プロゴルファーになったと知ったのはだいぶ後だった。

 先日の女子ゴルフ「北海道meijiカップ」前夜祭で、渋野日向子とハイタッチする樋口さんの元気な姿を拝見した。自身の42年前の全米女子プロ以来となるメジャー制覇に「新人類のようなすばらしい選手」と喜んだ樋口さんだが、「私が生きている間に優勝してくれてよかった」の言葉はまだ早すぎる。

 樋口さんはハードルなら渋野も両親が投擲選手と共通の“キーワード”は陸上…。多くの投擲選手を育てた小山裕三元日大監督は「渋野さんは体幹がしっかりしている。お母さんがやっていたやり投げなら間違いなくトップ選手だが、お金にはならない。樋口さんもそう。ゴルフはいい選択」と話した。

 16日から「NEC軽井沢72」に出場する渋野は実質プロ1年目で早くも賞金7959万円。樋口さんは賞金が少なかった時代にLPGAツアーで優勝69回、4億5410万円を獲得している。女子の先駆者としての功績もさることながら、あの流れるようなハードリングも忘れがたい。 (今村忠)