2019.8.14 05:00

【甘口辛口】悪臭、水温と“悲鳴連発”のOWS五輪本番コース、選手ファーストに反しここで行う配慮のなさに首ひねるばかり

【甘口辛口】

悪臭、水温と“悲鳴連発”のOWS五輪本番コース、選手ファーストに反しここで行う配慮のなさに首ひねるばかり

 ■8月14日 「正直くさい。トイレみたいな臭いがする」という男子選手のコメントにはびっくりした。11日に東京五輪本番会場のお台場海浜公園で行われた水泳オープンウオーター(OWS)の五輪テスト大会。プールでの競泳では「塩素の臭いがきつい」などとよく聞くが、トイレの臭いとは不衛生極まりない。

 OWSは海、川、湖など自然の水域で行う長距離競技(五輪は10キロ)で2008年北京大会から五輪種目になった。水温、気温、潮流など自然現象に左右される過酷なレース。国際水連は競技開始2時間前の水温が16~31度であることを実施条件にしているが、この日は2時間前の午前5時で既に29・9度を記録した。

 「泳いでいて熱中症の不安を感じた」という女子選手もいた。加えて異臭。前出の男子選手はここでの大会で終了後腹痛に襲われた経験もあるとか。東京湾には生活排水や雨水など下水処理場で処理しきれなくなった下水が大量に流れ込む。17年に東京都などが行った水質検査では基準値の最大約21倍の大腸菌が検出されている。

 この大会ではコースを深さ3メートルの水中スクリーンで仕切った。五輪本番では三重にするが、どれほど効果があるのか。平泳ぎの五輪金メダリスト田口信教氏(医療創生大副学長)は「10キロも泳げばいやでも相当水を飲んでしまう。危険でもありシュノーケルのような“防具”の使用も認め安全性を高めるべきだ。抗生物質の用意も…」と話す。

 同会場ではトライアスロンの水泳も行われるが、湖や川がないわけでもない。水質の問題は承知しながら、「アスリートファースト」に反してここで行う配慮のなさに、いまさらながら首をひねるばかりだ。 (今村忠)