2019.8.13 05:00

【甘口辛口】東京五輪の問題は気候 熱中症対策を、1年かけて外国にも周知徹底するのが必要最小限の「おもてなし」では

【甘口辛口】

東京五輪の問題は気候 熱中症対策を、1年かけて外国にも周知徹底するのが必要最小限の「おもてなし」では

 ■8月13日 久しぶりに、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」の映像を何度かテレビで見かけた。2013年9月、アルゼンチンでの国際オリンピック委員会(IOC)総会。いまや“時の人”でもある美貌の招致大使が日本文化をジェスチャーまじりで表現した決めぜりふは、委員たちのハートをわしづかみにして招致の決定打になった。

 その五輪も1年後の8月9日には閉会式を迎えている。運営能力には定評がある日本だけに滞りなく終わるだろうが、問題は気候だ。『この時期、晴れる日が多く且つ温暖でアスリートは最高の状態でパフォーマンスを発揮できる』と招致委員会が立候補ファイルで強調したような“奇跡”は起きるのか。

 今年は開会式の7月24日からの17日間の最高気温はすべて31度以上で35度以上の猛暑日が6日。湿度も毎日80%前後を記録した。過去にも04年アテネ、08年北京など平均30度を超す五輪があったが、湿度は低かった。気温と湿度のダブルパンチで「表なし、裏もなし、逃げ場なし」の暑さとの戦いだ。

 もし最後のプレゼンで「本当はこの時期、東京の暑さは過酷です。高温多湿。熱中症でバタバタと倒れ亡くなる人もいますが、もちろん万全の対策を講じます。それでも東京にきてもらえますか」と正直に話したら…。チャーミングな「お・も・て・な・し」の一言とてんびんにかけてIOC委員は、どう判断しただろうか。

 「こまめに水分を」「塩分補給も忘れずに」…。日本人に呼びかける熱中症対策を、この先1年かけて外国にも発信し周知徹底に努める。それも、危険な暑さの中の五輪にきてくれるお客さんへの必要最小限の「おもてなし」ではないか。 (今村忠)