2019.8.12 05:00

【甘口辛口】ざっくりと算出されたがん生存率にどこまで意味があるのか 年代や性別、ステージ別など詳細なデータを提供してほしい

【甘口辛口】

ざっくりと算出されたがん生存率にどこまで意味があるのか 年代や性別、ステージ別など詳細なデータを提供してほしい

 ■8月12日 上皇后美智子さまが早期の乳がんと診断された。宮内庁の9日の発表にはどきりとしたが、早期で転移の可能性が低いとみられている。代替わり後、息切れの症状など体力の低下が心配されているが、今月下旬、上皇さまとともに長野・軽井沢などで予定されている静養を経て9月以降に手術を受けられる見通しという。

 まずはひと安心。ゆっくり静養し手術に向けて体力を増強していただきたいと願うばかりだが、いまやがんは日本で2人に1人がかかるといわれる国民病。8日の新聞では国立がん研究センターが発表した、がんと診断された患者の3年後、5年後の生存率のニュースが目を引いた。

 平成24年にがんと診断された患者の3年後の生存率は、がん全体で72・1%。21~22年に診断された約57万人の5年生存率は全体で66・1%(前回65・8%)だった。5年生存率は治癒の目安とされ部位別(11部位)では前立腺や女性乳房が90%台だった一方、肝臓、肺、食道などは40%台にとどまった。

 しかし、がんには進行度を示すステージがあり早期のIとIII~IVとではかなりの差がある。若い人は進行が速いといわれ、男女差もあるだろう。患者や家族だけでなく健康な人にとっても生存率は大きな関心事だが、患者の年代や性別、ステージ別も度外視して極めてざっくりと算出されたデータにどこまで意味があるのか。

 平成28年には全国がんセンター協議会が約3万5000人を追跡調査した日本初の10年生存率を公表。同じ肺がんでもステージIなら72・6%と高く年代、性別でも差があることがわかった。がんを知り徹底的に闘うために、できる限り詳細なデータを提供してほしいものだ。 (今村忠)