2019.8.4 05:00

【甘口辛口】鈴鹿8耐、ラスト30分のドラマ…世界に冠たる4大メーカーの激突はやはり面白い

【甘口辛口】

鈴鹿8耐、ラスト30分のドラマ…世界に冠たる4大メーカーの激突はやはり面白い

 ■8月4日 1980年代に青春を過ごした小欄にとって、真夏の祭典といえば「鈴鹿8時間耐久ロードレース」だ。三重・鈴鹿サーキットの駐車場で車中泊し、ジリジリと太陽に灼かれて観戦。暑さに耐えかねたら遊園地のプールに飛び込み、また観戦。あれから30年以上たつ。

 やや旧聞に属するが7月28日、今年の大会のラスト30分に起きたドラマを改めて紹介したい。8時間の長丁場も残り30分で、トップはカワサキのジョナサン・レイ。ホンダの高橋巧を抜いてヤマハのアレックス・ローズが2位に上がる。ここで突然の雨。

 晴天用のスリックタイヤで走るライダーのリスクが増す。そして大詰めの残り4分、世界耐久選手権(EWC)最終戦を兼ねたこのレースで逆転の年間王座を目前にしたスズキのマシンが白煙を吹いてストップ。コースにオイルがまかれた。残り2分、まさにその付近でカワサキのレイが転倒。優勝へのラストラップだった。

 中断の赤旗が振られ、8時間が経過してレースは終了。ゴールできないカワサキは失格でヤマハの5連覇として表彰式も行われたが、カワサキの抗議を受け2時間後に逆転。「赤旗でレースが終了した場合は前周の順位を採用」との規則に基づき、カワサキの26年ぶり優勝となった。

 シャンパンファイトの途中でテレビを消したカワサキファンの小欄がこの結果を知ったのは翌日だ。落胆が大きすぎ、喜び方が難しくて困った。世界に冠たる4大メーカーが激突する8耐は、やはり面白い。ちなみに最後に行った8耐は島田紳助さん率いる「チーム・シンスケ」が初完走した88年だった。ピットの喧噪と爆音とオイルの匂い。昭和最後のあの夏も、暑かったなあ。 (親谷誠司)