2019.7.30 05:00

【甘口辛口】唐突感否めないラグビーのプロリーグ構想 本来ならプロ化→競技力向上→W杯が物の順序では

【甘口辛口】

唐突感否めないラグビーのプロリーグ構想 本来ならプロ化→競技力向上→W杯が物の順序では

 ■7月30日 W杯日本大会開幕まで2カ月を切ったこの時期にラグビーのプロリーグ構想が発表された。27日に日本代表が苦手フィジーを34-21で撃破。W杯8強という目標に向け展望が開けたいまは、日本代表のバックアップとW杯の成功にラグビー界は全力を挙げるときでここで出た「プロ化」に唐突感は否めない。

 6月に日本協会副会長に就任した清宮克幸氏が「日本のラグビーを変えるにはプロ化しかない。賛同者が集められれば実現できる」と判断した。トップリーグ(TL)を発展的に解消する形でW杯12会場を本拠地とする12チーム程度のプロリーグを作り、2020年度にプレシーズンを行い21年度の開幕を見込んでいる。

 既にTL各チームには構想が説明され半分の8チームほどが参加に前向きという。清宮氏の実行力はさすがだが、ラグビーは試合数が少なくTLの平均観客数は5000人程度。ルールが難しくテレビの放映権収入もさほどは見込めない。乗り越えるべきハードルがかなり高いのも事実だ。

 4年前のW杯で日本は南アフリカから歴史的大金星を奪い空前のラグビーブームが起きた。「新たにスポンサーとして参画を希望した企業が何社もあったが、協会が煮え切らず一気にプロ化する絶好の機会を逸した」と関係者。本来ならプロ化→競技力向上→W杯が物の順序ではなかったか。

 プロ化もいいが、TL入りした若い外国人選手は「給料をもらってラグビーに打ち込め、辞めても会社にいられる。なんていいシステムだ」と驚くという。プロ化にはW杯での日本の成績も影響しそうだが、企業に根付いたラグビーのためにしっかりした環境を作り直すのも選択肢ではないのか。 (今村忠)