2019.7.29 05:00

【甘口辛口】重い一石投じた大船渡・佐々木の登板回避 まずは日程改善に取り組むべきでは

【甘口辛口】

重い一石投じた大船渡・佐々木の登板回避 まずは日程改善に取り組むべきでは

大船渡・佐々木朗希投手

大船渡・佐々木朗希投手【拡大】

 ■7月29日 本物の「怪物」への通過儀礼ともいえる甲子園で雄姿を見たい、と先日小欄で書いた。「令和の怪物」といわれた大船渡・佐々木朗希投手のことだが、残念ながら夢と消えた。決勝の花巻東戦は登板を回避した。超高校級のエースが投げられる状態なのに決勝で投げなかったのは前代未聞でビックリした。

 「故障を防ぐために起用しなかった。3年間の中で一番壊れる可能性が高いのかなと思った」と国保陽平監督。筑波大出で米独立リーグでプレーし米国流の健康管理を目の当たりにしてきた。佐々木は決勝前日の準決勝で129球を投げ完封した。米国の高校野球なら中3日の間隔が義務づけられるだろう。

 それはわかるが、将来のためというなら他の選手たちの将来はどうなのか。甲子園に出ればその後の人生も変わる。負けてもエースと心中なら悔いはなかったろう。ある私立校の元監督は言う。「一生に一度のチャンス。投げさせてあげたかったし、地元大船渡の活性化にもなった。そこまで考えるのが高校野球でもある」。

 こういう問題が起きると取り沙汰されるのが投手の球数制限だが、部員数がぎりぎりの学校も多く難しい。それより実現性が高いのは地方大会を6月中に開幕し、終盤の試合間隔に余裕をもたせる日程改革だろう。現に北海道や沖縄では6月中に始まっている。夏休み前は週末開催にすればいい。

 エンゼルスの大谷翔平は「悔しい気持ちはあると思うし、甲子園が全てと思って取り組むのが高校野球」と佐々木の心中を思いやった。勝って泣き負けて泣きの高校野球で投げられなくて泣いた。この一石の重さに応えるなら何よりもまず日程の改善に取り組んでほしい。 (今村忠)