2019.7.22 05:00

【甘口辛口】地方議員年金復活の動きは短絡的 「議員のなり手不足」も政治に参加しやすい環境を作る方が先決では

【甘口辛口】

地方議員年金復活の動きは短絡的 「議員のなり手不足」も政治に参加しやすい環境を作る方が先決では

 ■7月22日 国会議員一人あたりの昨年度平均所得は2657万円。1年間を通じて議員だった698人が対象で前年比245万円増という。歳費、期末手当のほか役員などを務める会社の報酬や講演料など副業収入も含まれるが、40代で平均年収541万円というサラリーマンから見れば、うらやましい限りだ。

 21日の参院選でも多くの新人が当選し、新たに「高給取り」の仲間入りを果たした。米国の議員報酬は約1500万円、ドイツが約1100万円で日本の国会議員の年収は抜きんでており世界最高水準といわれる。政治家を「家業」として代々引き継ぐ世襲議員が多いのも当然だろう。

 「国民に増税の負担をお願いするなら、高すぎる議員の報酬をカットするのは当然」と選挙戦で日本維新の会の松井代表が訴えていたが、こういう話は選挙が終わればそれまで。身を切らないのが政治家で、年間412万円と「国民年金との受給格差が大きすぎる」と批判された国会議員年金など今思えばよく廃止(2006年)したものだ。

 ところが、11年に廃止された地方議員年金は復活の動きがあるとか。「国民年金では老後の生活が不安」という地方議員の声が強く、町村議会などは「議員のなり手不足」という現実もあるらしい。議会が平日の昼ではサラリーマンなどは手を挙げにくく地方議会議員の約25%は無投票当選という。

 といって年金復活も短絡的だ。「国民年金では不安」と思っているのは何も地方議員だけではない。兼業を容認し議会を休日や夜間に開くなど政治に参加しやすい環境を作る方が先決だろう。国会も地方議会も議員の原点はボランティア精神であることを忘れてもらっては困る。 (今村忠)