2019.7.19 05:00

【甘口辛口】錦織、望月の快挙とフェデラーの死闘を発奮材料に4大大会制覇果たせ

【甘口辛口】

錦織、望月の快挙とフェデラーの死闘を発奮材料に4大大会制覇果たせ

 ■7月19日 「若いって 素敵だな 若いって 夢もある」。テニスのウィンブルドン・ジュニア選手権で望月慎太郎が日本男子初のジュニア4大大会シングルス制覇を達成したとき、中高年の哀愁を歌う音楽バンド・ペーソスの「若い人」を思い出した。歌詞の通り、16歳の彼の前には大きな夢が広がっている。

 50代の小欄にとって、その姿はまぶしすぎる。快挙は喜ばしいが、中年のおっさんは同日に行われた本戦決勝でのロジャー・フェデラーの方に心を奪われた。男子シングルス決勝で最長4時間57分の死闘をノバク・ジョコビッチと演じて惜敗。37歳の奮闘に興奮して寝るのも忘れ、生中継に見入った。

 同じ感想をインタビュアーも抱いていたようで、「37歳でここまで頑張れるとは驚異的ですね」と問いかけた。フェデラーの答えは「他の人たちを勇気づけられるのであればうれしい。なぜこんなにできるか、こんなに頑張れるかは分からないが、他の37歳の皆さんも頑張ってください」

 勇気づけられたのは「他の37歳」だけではない。錦織圭も大きな刺激を受けたのではないか。日本のエースは“まだ”29歳。フェデラーより8歳も若いのだから。

 望月は、錦織と同じく日本テニス協会会長も務めた実業家・盛田正明氏がジュニア選手を支援する「盛田ファンド」の奨学生として米フロリダ州のIMGアカデミーで練習を積んだ。似たような道を歩んだ16歳が、自身はできなかったジュニア4大大会を制したことも錦織の発奮材料になっただろう。望月にバトンを渡す前に「4大大会制覇」という悲願を果たす。望月の快挙とフェデラーの死闘が、錦織の心に再び大いなる野望の火をともしたと信じたい。 (鈴木学)