2019.7.18 05:00

【甘口辛口】「令和の怪物」と噂に高い大船渡・佐々木、勝ち上がって甲子園で実像を存分に見せてもらいたい

【甘口辛口】

「令和の怪物」と噂に高い大船渡・佐々木、勝ち上がって甲子園で実像を存分に見せてもらいたい

佐々木朗希=花巻球場(撮影・矢島康弘)

佐々木朗希=花巻球場(撮影・矢島康弘)【拡大】

 ■7月18日 この時期、新聞を広げて最初に目を通すのが高校野球という人は多いだろう。母校や家族、友人知人の出身校、あの強豪校は、などと地方大会の結果を丹念に見だしたら、ゆうに30分はかかる。新聞用語でいう棒スコア(勝敗と点数だけの1行)でも、裏にはどんなドラマが秘められているのか想像をかきたてられる。

 16日には最速163キロの佐々木朗希(大船渡)が岩手大会に登場した。棒スコアどころか小紙などスポーツ紙の1面で、さすがに「令和の怪物」といったところだ。初戦となる2回戦の遠野緑峰戦。「4番、投手」で出場し、2回を投げ19球で無安打2奪三振。チームは14-0で五回コールド勝ちした。

 メジャーのスカウトもうならせた佐々木はとにかく「すごい」らしいが、まだまだ“噂”の段階で実像が見えてこない感じもする。4月のU-18合宿でマークした高校生史上最速の163キロもプロ野球のスカウトの計測で公の数字ではない。素材としてはAクラスは間違いないのだろうが、これほど名前が先行した怪物は珍しい。

 甲子園で優勝投手の経験もある私立校元監督は初戦の結果からこう話した。「もう少し投げるかと思った。監督は潰してはいかんと神経を使っているのはわかる。投げすぎは駄目だが、投げなさすぎもよくはない。投手の感覚は試合で投げてできていくもの。能力は十分でも投げないと育たない部分もある」

 順当に勝ち上がれば盛岡大付や花巻東との対戦が予想される準決勝以降はフル回転だろう。真価はそこで問われる。江川卓、松坂大輔、松井秀喜…。本物の怪物への“通過儀礼”ともいえる甲子園で、実像を存分に見せてもらいたいものだ。(今村忠)