2019.6.15 05:00

【甘口辛口】ベーシスト音信不通のKANA-BOON 疾走感あふれる新曲も歌詞を置き換えると一転切ない

【甘口辛口】

ベーシスト音信不通のKANA-BOON 疾走感あふれる新曲も歌詞を置き換えると一転切ない

 ■6月15日 もう30年近くもたつのかと、感慨深いものがある。歌手、郷ひろみのものまねで人気だったタレント、若人(わかと)あきらの失踪事件である。若人は1991年3月、静岡・熱海市の海岸で釣りの最中、突然、行方不明に。当時は携帯電話の普及前でもあり、連絡の取りようがなかった。

 警察に捜索願が出され、「波にさらわれたのか」と言われたり、神隠し説や北朝鮮による拉致説がまことしやかに乱れ飛んだ。日本中が注目する中、小欄も現場周辺の聞き込み取材に走り回った覚えがある。行方不明から3日後、若人は約30キロ離れた神奈川・小田原市内で無事発見された。

 医師の診断は頭を強く打ったことによる一時的な記憶喪失。真相は分からず、売名行為とも批判された本人は、心を痛めたのだろう。心機一転、我修院達也と名前を変え、68歳になった今も元気で俳優を続け、CMにも出演している。今はとにかく無事で何よりだったと思い返すばかりだ。

 それまで元気だった人が突然、姿を消す-。今も昔も当然ながら、周囲の心配は計り知れない。若人の事件を思い出したのは、ほかでもない。4人組ロックバンド、KANA-BOONのベーシスト、飯田(めしだ)祐馬(28)が今月5日から音信不通となったからだ。今や携帯はもちろん、ツイッターやLINEなど通信手段は豊富なのに…。

 12日発売の新曲「まっさら」は、疾走感あふれるメロディーに乗って♪だんだん遠くなってく 君を追いかけていく…と歌う。偶然とはいえ、「君」を「飯田」と置き換えると、あまりに切ない。とはいえ、無事でさえあれば、何と言われようがどうにでもなる。若人の事件がいい例だ。 (森岡真一郎)