2019.6.14 05:00

【甘口辛口】ストライドの大きさが原動力のサニブラウンとピッチでスピード稼ぐ桐生 山県も加え五輪までしのぎ削って

【甘口辛口】

ストライドの大きさが原動力のサニブラウンとピッチでスピード稼ぐ桐生 山県も加え五輪までしのぎ削って

 ■6月14日 東京・霞が関の文部科学省にある情報発信スペース「情報ひろば」。そこで、陸上の桐生祥秀が2017年9月9日に日本人初の100メートル9秒台(9秒98)に到達したときの最大歩幅(ストライド)を体感できる。

 トラックに描かれた左の足跡から右の足跡まで約2メートル40。「これで1歩!?」と驚くほど広い。普通に歩いて2歩半。他の見学者がいないときに助走をつけて同じ歩幅で1歩だけ走る、いや跳ぶことができた。総歩数は47・3とある。平均2・114メートル。これを100メートル持続させるのだから感嘆しかない。

 8日の全米大学選手権決勝で日本記録を打ち立てたサニブラウン・ハキームは、桐生より歩幅が広い。日本陸上競技連盟科学委員会の分析によると、17年日本選手権を10秒05で優勝した際の総歩数は44・7で、最高速度時の歩幅は2・46メートルだったとか。9秒97で走破した今回は、2年前より約1歩少ない43歩余りでゴールしたというから歩幅は広がっている。

 この大きなストライドこそ、さらなる高みを目指せる礎である。日本記録樹立で比較されたのは17年世界選手権の覇者、ジャスティン・ガトリン(米国)。身長185センチの彼は同大会決勝で最大歩幅2・50メートルを記録しており、サニブラウンはそれに近いからだ。

 陸上ではストライドの大きさとピッチ(足の回転数)の速さがスピードを決定づけるという。188センチのサニブラウンがストライドの大きさが原動力なら、彼より12センチ低い桐生はピッチでスピードを稼ぐタイプ。10秒00の記録を持つピッチ走法の山県亮太も加われば…。彼らが高いレベルで競い合えば、さらなる記録更新が望める。来年の五輪までしのぎを削ってほしい。 (鈴木学)