2019.5.22 05:00

【甘口辛口】池袋暴走事故の87歳男性から受けた違和感 「私だって大けがしたんだ」と言わんばかり

【甘口辛口】

池袋暴走事故の87歳男性から受けた違和感 「私だって大けがしたんだ」と言わんばかり

報道陣の問いかけにはうつむき加減で答えた=18日午後、東京都豊島区(撮影・三尾郁恵)

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 ■5月22日 4月19日に事故が発生してから1カ月。東京・池袋で車が暴走し親子2人を死亡させた87歳の男性が姿を見せた。任意の事情聴取を受けた警視庁目白署。サングラスにマスク、両手につえを持ち署員の手も借りておぼつかない足取りで入っていった。自らも重傷を負ったことを差し引いても、よく運転していたものだとがくぜんとした。

 集まった報道陣に「申し訳ありません」と何度か消え入るような声で言ったものの、誠意は感じられなかった。サングラスもマスクも外し、前を向いて「謝っても謝りきれない。できる限りの償いをしたい」などと謝罪の言葉を述べれば少しは印象が違ったかもしれない。

 厳しいことを言うようだが、まるで「私だって大けがしたんだ」と言わんばかり、とみられても仕方ないような違和感があった。車の機能検査ではアクセルとブレーキに異常はなかった。それでも男性は「ブレーキをかけたが、利かなかった」と言い続けているという。あくまでも車のせいにするつもりなのか。

 妻と長女を失った会社員の男性は謝罪の申し出を断った。「2人の未来を一瞬で奪った。厳罰に処してほしい」と言うのもわかる。それでも逮捕はされず任意の聴取が続くという。テレビの情報番組で元裁判官の八代英輝弁護士は「退院し、事情聴取を受けた時点で逮捕するのがふつう」と疑問を投げかけた。

 逃亡や証拠隠滅の恐れがなく、高齢で勾留に耐えられないといった理由らしいが「警察に出向くのがあんなに大変なら、逮捕され泊まる方が楽だろう」との皮肉も聞こえる。逮捕が厳罰につながるわけではないにしても、これでは被害者感情は救われず国民の理解も得にくい。 (今村忠)

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