2019.3.12 05:00

【甘口辛口】ワイン通の辰巳琢郎 ドロドロ府知事選は口に合わなかった?

【甘口辛口】

ワイン通の辰巳琢郎 ドロドロ府知事選は口に合わなかった?

辰巳琢郎

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 ■3月11日 インテリ俳優で元祖クイズ王、食通、ワイン通として幅広く活躍している辰巳琢郎が自民党から大阪府知事選候補として出馬を要請された。好感がもてる人物だけに「辰巳さん、あなたも“そっちの世界”へ…」と嘆息したものだが、家族会議の末に出馬を断った。なんといっても政治は素人。賢明な選択だろう。

 そもそも松井一郎知事と吉村洋文市長が辞職し、入れ替わって出馬する大阪の知事・市長ダブル選挙(4月7日投開票)そのものが、大阪以外の人には何ともわかりにくい。大阪都構想の住民投票実施時期をめぐり、公明党との交渉が決裂したことで「民意を聞きたい」として実施するという。

 前大阪市長の橋下徹氏が中心となって進めた大阪都構想は東京一極集中が進み、地盤沈下する大阪を何とか立て直そうとする改革の切り札でもあった。しかし、2015年5月の住民投票で否決されている。「審判は下っているのに蒸し返すのか」「どっちかが負けたらどうするのか」などという批判や疑問も当然だろう。

 もともと大阪は江戸の昔から幕府の権威とは一線を画し、商売上手な町人たちによって発展した。「お上のやること」より実利優先で都構想も身近に感じなかったようだ。商都といわれた大阪第2の都市、堺に住む友人は「堺は政令指定都市。国と対等にやり合えるのに、なんでいまさら大阪都という感じではた迷惑」と苦笑いした。

 それでも都構想へ意地がある維新。かつては「お笑い100万票」といわれた浮動票をかき集めそうだった辰巳の不出馬で、とりあえずホッとしたろう。ワイン通の辰巳にすればドロドロ過ぎて、テイスティングでお口に合わなかったのかもしれない。 (今村忠)