2019.3.7 12:00

【竿々学々】そろそろマブナが動き出す “巣離れ”から“乗っ込み”まで

【竿々学々】

そろそろマブナが動き出す “巣離れ”から“乗っ込み”まで

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竿々学々

 ――師匠、いよいよ3月ですね。まだまだ朝晩は冷え込むことはありますが、今年は何となく暖かいですよね。渓流釣りの時期ですが…。

 「ああ、昔は3月と聞くと、ソワソワし始めたものだが、60歳を過ぎた頃からかな、足腰に自信が無くなってきて早期の渓流へは、ほとんど出掛けなくなっちまったな」

 ――そう言われれば、確かにそうですね。父も渓流釣りの話を始めるのはGW近くになってからになりましたね。

 「こればっかりは、お前たちの年代の人間に話しても絶対にピンとこないだろうが、手足が頭の指令通りに動かなくなってくるんだよ。毎年のように同じ渓流に出掛けているとよく分かるんだが、一昨年までは軽く越えられていた岩が、去年はやっとこ越えられ、今年はよじ登らなければ越えられないなんてことになるんだよ。そうなると、ついついまだ周りが凍り付いているような渓谷に出掛けて行こうなどとは思わなくなる。今や父君や俺にとっての渓流釣りは、山が新緑に覆われる頃からの釣りって感じだな」

 ――父からも同じような話を聞きました。じゃあ、春はどうするんですか。

 「決まっているだろう。マブナ釣りだよ。3月の声を聞けばマブナも“巣離れ”し始め、早い所では4月になれば“乗っ込み”が始まるところも出てくる。秋と並んでマブナ釣りが一番面白い季節だからな」

 ――な~るほど。それで分かりました。いつか師匠に聞いた『釣りはフナに始まりフナに終わる』っていう意味が。

 「それは、そんなに単純な話じゃないんだが、全く的外れってこともないかもしれんな。とにかく、田んぼや畑脇を流れる小さな用水路や、野原を流れる小川でのフナ釣りは一生飽きることなく続けられる釣りなのは確かだ。若い時から世界中で色々な釣りをしてきたが、いまだにこれを凌駕する釣りに出あったことがない。今年は父君と2人で往年の釣り場を回ってみようと話していたところだ」

 ――えっ、その話聞いていない。私も連れて行って下さいよ。私もマブナ用の和竿を持っていることをお忘れなく。

 「分かったよ。来週、父君とミーティングすることになっている。日程が決まったらお前も誘ってやる」

 ――約束ですよ。

 「ああ、分かった。仕掛けは俺が作っておいてやるから心配するな」

 ――はい。ありがとうございます。