2019.2.14 05:00

【甘口辛口】病気に打ち勝った笑顔こそが“金メダル”! 池江の病に誰も「がっかり」していない

【甘口辛口】

病気に打ち勝った笑顔こそが“金メダル”! 池江の病に誰も「がっかり」していない

池江璃花子

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 ■2月14日 言うに事欠いて「がっかりした」はないだろう。池江璃花子の白血病公表で桜田義孝五輪担当相が記者団に感想を求められ発した言葉だ。「金メダル候補で日本が本当に期待する選手なのでがっかりした」「一人リードするとみんなつられて盛り上がる。盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」…。

 いくら担当大臣とはいえ五輪のことしか頭にないようなトンデモ発言。病気と闘おうと前を向いた池江の心情への配慮がまるで感じられない。「がっかり」は望みがなくなったり、アテが外れて気持ちが沈むことをいう。悪気はないにしても言葉の使い方を完全に間違えている。

 13日の衆院予算委員会では野党議員から「大臣にとって選手はメダルを取るためだけの駒なのか」と追及された。発言は撤回し謝罪したが「綸言汗の如し」で一度口にした言葉は消せない。安倍晋三首相はかつての民主党政権を「悪夢のような…」と言って物議をかもしたが、人の感情を平気で踏みにじるこんな大臣がいることも悪夢ではないのか。

 以上は論外で、池江には各方面から励ましの言葉が送られた。中でも急性白血病から復帰したJリーガー、J2新潟・早川史哉のコメントは胸を打った。「それぞれの病気でそれぞれの段階がある。誰かと比較せず自分のペースでしっかりと病気に向き合い、まずは一人の人間として元気になってほしい」。

 さらに池江の祖母の「水泳なんてやらなくていい。とにかく長生きして」の言葉には目頭が熱くなった。東京五輪には、たとえ出られなくても誰も「がっかり」はしないだろう。病気に打ち勝ったときの笑顔こそ、みんなが待っている“金メダル”だからだ。 (今村忠)