2018.12.3 05:00

【甘口辛口】“育成枠”少なすぎる巨人 時代逆行の“無国籍”球団もまた一興か

【甘口辛口】

“育成枠”少なすぎる巨人 時代逆行の“無国籍”球団もまた一興か

巨人移籍を表明した丸

巨人移籍を表明した丸【拡大】

 ■12月3日 5年総額30億円とは日本の移籍金もメジャー並みになったものだ。広島から国内FA宣言した丸佳浩外野手(29)が巨人移籍を表明した。久しぶりに旬な選手のFA移籍だが、丸を悩ませたのは広島が4年総額17億円、ロッテも6年総額25億円と“金満球団”でなくとも、それなりの金を用意したからではないか。

 結局巨人に落ち着いたが、母校の千葉経大付・松本吉啓監督は「丸が3年のとき一番先に挨拶にきたのが広島で、巨人も熱心に誘ってくれた。まんざら縁がないわけではない」と話す。丸は最速144キロのエースだったが、広島は打撃のセンスや足の速さから野手としての素質を見抜き実際にここまで育てあげた。

 さすが、育成には定評があり若手が次々に台頭する広島といえるが、もし巨人が獲得していたらどうだったか。「巨人は打てなくても使い続ける“育成枠”が少なすぎる。他球団みたいに、たとえば“7、8、9番は長い目で見よう”といったガマンがないから…」と専門家は首をひねった。

 丸は広島ファンに「11年間、こんな選手を応援してくれて…」と感謝の気持ちを表した。プロなら当然の選択でもファンにとっては寂しい限りだろうが、そこは地域密着のチーム。人を応援するのでなくチームを応援するのが広島の人たちとも聞いた。丸の抜けた大きな穴をどんな若手が埋めるのか楽しみでもあり育成手腕の見せ所だ。

 巨人は丸のほか西武からFA宣言の炭谷ら3選手も補強。ここまで約38億円を投じた。地域密着で地道に観客を増やし、効率的な選手育成を目指す球団がほとんどという中で時代に逆行するような“無国籍”球団があるのも、また一興というところか。 (今村忠)