2018.11.25 04:00

【甘口辛口】「五輪が駄目でも万博があるやん」一夜で運命が変わった人工島・夢洲

【甘口辛口】

「五輪が駄目でも万博があるやん」一夜で運命が変わった人工島・夢洲

 ■11月25日 昔から物持ちはいいが整理ができない性分である。2025年大阪万博開催決定に備え、どこかにしまった1970年大阪万博の絵はがきを探していたら、懐かしいピンバッジが出てきた。「2008年大阪五輪」。五輪マークが入った“本物”だ。

 08年夏季五輪招致をめざした大阪市は、国内の立候補都市争いで横浜市に勝利。00年8月の国際オリンピック委員会(IOC)による1次選考を北京、パリ、イスタンブール、トロントとともに通過した。この時点で招致活動に五輪マーク使用が許され、バッジはそのときのものだ。

 迎えた01年8月のIOC総会。大阪は1回目の投票でわずか6票。最下位で落選の憂き目にあう。視察に来た委員のバスが大渋滞に巻き込まれたとか、“敗因”が取り沙汰されたが、当時の情勢を見れば2回目の投票で圧勝した北京には勝てなかっただろう。

 万博会場となる夢洲(ゆめしま)は、幻の五輪予定地だった舞洲(まいしま)の隣。五輪の選手村が建つはずだった。舞洲には今、プロ野球・オリックス、J1・C大阪、Bリーグ・エヴェッサ大阪が本拠地や練習場を置く。一方の夢洲は、足場は悪いが魚影の濃い一級のチヌ(クロダイ)釣り場として知られるだけの空き地だったが、一夜で運命が変わった。

 五輪が駄目でも万博があるやん-。いい名前のこの人工島が持っていた運を、7年後まで大事にしたいものだ。ちなみに世間に物持ちのいい人は多く、ネットオークションに70年万博の絵はがきは500円~1800円、08年大阪五輪招致のバッジも2500円で出品されていた。「お宝」にはなりそうもないが、話のネタにはなりました。 (親谷誠司)