2018.11.19 05:00

【甘口辛口】ファンへの配慮感じられた羽生結弦の会見…同じ“王者”でも稀勢の里はまったくの説明不足

【甘口辛口】

ファンへの配慮感じられた羽生結弦の会見…同じ“王者”でも稀勢の里はまったくの説明不足

 ■11月19日 「いま滑ったら悪化する」と医師に忠告されながら、羽生結弦は滑って優勝した。フィギュアスケート・ロシア杯のフリー練習中に右足首を痛め全治3週間と診断された。患部を冷やし、痛み止めの薬を飲んで臨んだ約5時間後のフリーは4回転ループを回避。構成を練り直しての演技で自身初のGPシリーズ2連勝を果たした。

 松葉づえで現れた会見では「悔しさがメラメラ。また頑張るけど3週間安静となると厳しいと思う」と、けがの状況を説明した。12月6日からのGPファイナル(カナダ)、同20日からの全日本選手権(大阪)。「こういう状況だから欠場ならごめんなさい」と言外にファンへの配慮が感じられた。

 プロなら当然かもしれないが、同じ“王者”でも九州場所の5日目から休場した横綱稀勢の里はまったくの説明不足だ。休場の原因は古傷の左大胸筋ではなく、初日貴景勝にはたき込まれた際右膝を痛めたためだった。しかし、土俵下に落ちてもいない。その後3日間相撲はバラバラだが膝が悪くて負けたようには見えなかった。

 捻挫といっても程度はいろいろ。どういう痛みで治療はどうするのか、「全治1カ月」だけで後の説明なしではファンも同情しようがない。来年初場所(1月13日初日、両国国技館)の入場券前売りは来月8日だが、稀勢の里は出てくるのかこないのか、心から応援しようにも二の足を踏む人も多いだろう。

 興行は前売りで持っているともいえる。協会としても痛し痒しではないか。「ファンには申し訳ない」と稀勢の里は会見で話したが、木で鼻をくくったようで、直後に羽生の人柄がにじみ出た会見があっただけに残念でもあった。 (今村忠)