2018.11.16 05:00

【甘口辛口】フェルメールが借金をしてまで求めた「フェルメールブルー」が来日中

【甘口辛口】

フェルメールが借金をしてまで求めた「フェルメールブルー」が来日中

 ■11月16日 フェルメールブルーという馬が2000年から3年半ほど中央競馬で走っていた。母は名牝ノースフライトで、父は大種牡馬ノーザンテースト。父母が「北」つながりの馬名なので、17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールが描いた「北のモナ・リザ」と呼ばれる「真珠の耳飾りの少女」、別名「青いターバンの少女」を連想して名付けたのだろう。

 フェルメールブルーは、フェルメールの絵に見られる鮮やかな青「ウルトラマリン」のこと。当時はアフガニスタンでしか採れなかった希少な鉱石ラピスラズリが原材料で、フェルメールは借金をしてまでその青色を求めたという。

 上野の森美術館(東京都台東区)で開催中の「フェルメール展」で、その青色を拝める。「青いターバンの少女」は来日していないが、「牛乳を注ぐ女」で堪能できる。

 卒業旅行で海外に行く際、大学の恩師に「歴史的建造物を見なさい」と言われた。「建物はそこにいないと分からないから」。なるほどと思ったが、印刷では絵肌が分からないし色も本によってまちまち。フェルメールブルーはどうしても見たかった。

 本物はやはり、印刷とは違って素晴らしかった。鑑賞者が最後に訪れるのが、来日したフェルメールの全8点を展示してある部屋。その最後を飾るのが「牛乳を注ぐ女」だ。メイドのエプロンの青は、実に鮮やかで目を奪われた。2度も盗難に遭った「手紙を書く婦人と召使い」も来日。この作品にも青色が効果的に配されている。

 来場者数が20万を突破した東京展は来年2月3日まで。大阪展(大阪市立美術館)は同16日から開催される。本物のフェルメールブルーに会える機会はまだ十分ある。 (鈴木学)