2018.11.12 05:00

【甘口辛口】初日を前に冷や水ぶっかけられた九州場所 不祥事幕下力士の名前を公表すべき

【甘口辛口】

初日を前に冷や水ぶっかけられた九州場所 不祥事幕下力士の名前を公表すべき

 ■11月12日 絶好の仕上がりに「(目標は)もちろん優勝です」と、九州場所を前に横綱稀勢の里が断言した。さらに白鵬、鶴竜両横綱も休場して追い風が強まり、いやがうえにもファンの期待が高まった九州場所だが、初日を前に身内から冷水をぶっかけられた。大嶽部屋の幕下力士が酒気帯びの疑いで運転しガードレールに激突した事故だ。

 当初、力士は「ぶつけていない」と否定し、協会関係者に問い詰められて認めたという。同部屋では元幕内大砂嵐が無免許運転で略式起訴され引退したが、追突事故を起こしたのは初場所前の正月3日。「稽古はどうした」と驚いたが、今回も初日直前の9日未明。緊張感の欠如は嘆かわしい限りだ。

 協会は現役力士の運転は禁止し、賭博や薬物などとともにコンプライアンスの徹底を研修会などで口を酸っぱくして呼びかけている。にもかかわらず「再発防止」に失敗した典型例で、「免許を持っていることは初めて聞いた。知らなかった時点で(師匠)失格」と話した大嶽親方の責任は重い。

 酒気帯び運転による事故被害者や、その家族がいかに悲惨な状況に追い込まれるかは言うまでもない。事故を反省せず同じことを繰り返す常習者も多いことで世間が厳しい目を向け、いまや重大な犯罪の一つにあげられている。その中での事故は国際免許証の失効で無免許になった大砂嵐より、ある意味はるかに悪質といえる。

 それでも協会は捜査中として力士の名前などを明かしていない。プロ野球やサッカー選手などが、こうした事故を起こしたら本人が認めた時点で公表している。本人のためにはルールはルールとして、反省度を深めるためにも名前は公表すべきではないのか。 (今村忠)