2018.11.8 05:00

【甘口辛口】“麻薬王”が国際ボクシング協会新会長に…IOCが「重大な懸念」抱くのは当然

【甘口辛口】

“麻薬王”が国際ボクシング協会新会長に…IOCが「重大な懸念」抱くのは当然

 ■11月8日 “麻薬王”が新会長とは困ったものだ。国際ボクシング協会(AIBA)が先日の総会で、会長代行だったガフール・ラヒモフ氏(ウズベキスタン)を新会長に選出した。中央アジア有数の麻薬密売人との関係を疑われ米財務省から犯罪者と指摘される人物。国際オリンピック委員会(IOC)が「重大な懸念」を抱くのは当然だ。

 134票中、ラヒモフ票は86票の圧勝ぶり。カネの力で票をかき集めたとは十分考えられる。AIBA内部のずさんな財政管理や2016年リオ五輪の判定疑惑などもあり、最悪の場合かねてからの警告通り東京五輪の実施競技から外される可能性があるという。

 13年2月のIOC理事会ではレスリングが東京五輪からの除外競技候補になった。レスリング関係者は大慌てで存続を求める約80万人の署名を集めIOCに必死に働きかけて除外は免れた。同様の危機に日本連盟の鶴木良夫副会長は「レスリングが80万人ならうちは100万人。まだ目標には遠いが、このニュースで目の色も変わるはず」と話す。

 日本人で初めてプロの世界4団体(ミニマム級)を制覇し、東京五輪を目指して先月アマ登録が認められた高山勝成(35)=名古屋産大=も気をもんでいる。「一選手として五輪精神に基づいての実施を祈るだけ。こんなことで除外では選手はたまらない」。除外を審議するIOC理事会は今月30日から東京で開かれる。

 ラヒモフ氏からもらったロレックスの腕時計を自慢していた日本連盟の山根明前会長は辞任し国内の“黒い霧”は晴れた。一向に晴れないAIBAには見切りをつけ、新しい統括団体も視野に入れたIOCの思い切った選手救済策が待たれる。 (今村忠)