2018.11.5 05:00

【甘口辛口】Cクラスに見た相撲の原点 学生相撲に「番付」必要ない

【甘口辛口】

Cクラスに見た相撲の原点 学生相撲に「番付」必要ない

 ■11月5日 ちょんまげが頭にないだけで体は関取並み。体重150キロ台はザラの大型選手が争った全国学生相撲選手権(両国国技館)個人戦で優勝したのは菅野陽太。中大2年で1メートル84、158キロとプロ垂涎の大器だが、学生横綱の幕下15枚目付け出し資格の有効期間は1年で、プロ側にしたら2年先に取ってもらいたかったのではないか。

 そんなプロ予備軍の戦いとは別に、初めて観戦した3日のCクラスの団体戦は面白かった。初心者も多く細い体にコマのひものようにまわしをぐるぐる巻きし、見よう見まねの技をかけ合う姿はまさに相撲の原点。体も、相撲の形もできているAクラスとは違った必死さが伝わった。

 中でも話題は相撲部の部員不足が映画『シコふんじゃった。』(周防正行監督、本木雅弘主演)のモチーフになった立大。坂田直明監督率いる創部100年の今年は卒業生でもある周防氏が名誉監督に就任し史上初の女子主将も誕生した。相撲経験のある部員は2人で後の3人は柔道などの助っ人だが、Cクラス3位と健闘。

 4校が進出した4日のBクラスでも阪大、関大に勝ち40年ぶりのベスト8と、記念の年を飾った。周防総監督の新人勧誘ビデオメッセージで未経験ながら2年男子が入部。「開かれた相撲部」に興味をもったベルギーからの女子留学生がマネジャーで入り、“ちゃんこ番”の手伝いと『シコ…』の続編そのものだ。

 5人の団体戦に何とか頭数をそろえたり足りずに3人で出た大学もある。学生相撲の底辺を懸命に支えているのに、3日の開会式はCクラスの団体戦終了後。前座扱いで配慮がない。力士の供給源にはなっても「番付」で差をつけるのは大相撲だけでいい。(今村忠)