2018.11.1 05:00

【甘口辛口】いまだに異論も聞かれる東京五輪マラソンのスタート時間 夜間開催しかないのでは

【甘口辛口】

いまだに異論も聞かれる東京五輪マラソンのスタート時間 夜間開催しかないのでは

 ■11月1日 猛暑の中での開催で、スタート時間をめぐっていまだに異論も聞かれる2020年東京五輪のマラソンについて、日本医師会と東京都医師会からも提言があった。午前7時のスタート時間を午前5時半に繰り上げるべきというもので、先日両医師会の会長が大会組織委員会の森喜朗会長らに面会した。

 女子が8月2日、男子が最終日の8月9日に行われるマラソンは当初の計画では午前7時半スタート。7月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で暑さ対策として30分早まった。しかし、医師会は7時だと、1時間半後には熱中症予防対策の暑さ指数が「特別の場合以外は運動中止」の31度を超えると指摘している。

 選手、観客、スタッフへの危険を少なくするために5時半にすべし、というわけだ。医師の言うことには一理あると思いきや、ある運動生理学者は「選手は起床して準備万端でスタートを迎えるまで5時間がベスト。医師の指摘は傾聴に値するにしてもスタートが早すぎるのではないか」と首をひねった。

 午前5時半スタートなら起床は0時半。生活のリズムを考えたら数日の調整では体は寝たままで当然間に合わない。「トレーニングの繰り返しで、その時間に走ることが体に組み込まれるまで半年から1年はかかる。7時にしても、早朝は選手に負担がかかりすぎることは確かだ」と運動生理学者は続けた。

 7月には、コースの暑さ指数を実際に計測した中京大の環境生理学研究グループが危険性を公表している。各分野からの異論。5月8日の小欄では選手が調整しやすく観客の熱中症の心配がなくなる夜間の開催を提案した。つまるところこれしかないのでは、とも思う。 (今村忠)