2018.10.19 05:00

【甘口辛口】復帰に意欲見せるイチロー 自称「野球の研究者」の姿に“ミスター競馬”思い出す

【甘口辛口】

復帰に意欲見せるイチロー 自称「野球の研究者」の姿に“ミスター競馬”思い出す

イチロー

イチロー【拡大】

 ■10月19日 5月上旬に米大リーグ、マリナーズの会長付特別補佐に就任し現役のままフロント入りしたイチロー外野手(44)。その後は試合に出ることなく今季を終えた。

 続けてきた試合前の練習で見せる笑顔は、試合で期待された結果を出し続けねばならない重圧から解放され、純粋に野球を楽しんでいるように見えた。練習を欠かさないのは、来季の日本での開幕戦での復帰を目指してのこと。今季最終戦後には、改めて復帰に意欲を見せ、球団も来季の開幕戦に出場する可能性を示唆した。

 イチローの姿に思い出したのがミスター競馬と呼ばれた故・野平祐二さん。騎手として1339勝を挙げ、47歳の直前に調教師に転身。その後も69歳で調教中に脳梗塞を患うまで自ら手綱を取って管理馬の調教をつけていたからだ。

 父の急死により、長期滞在してレースに騎乗していたフランスから戻って後を継いだ。後ろ髪を引かれる思いだったのは「60代の初めに政人(柴田政人調教師)から『現役に復帰したらいいんじゃないの』と言われたことがある。その頃はバリバリと攻め馬(調教)をつけていたから『それもいいな』と思った」と話していたことでも分かる。

 愛する競馬のために尽くした結果、日本の競馬が世間に認められてきた頃だけに「自分が乗れないのはつまらない」という気持ちだったそうだ。「『まだやりたい』という意欲や『まだやれる』といううぬぼれは、人間には必要です」。

 イチローの場合、「まだやれる」はうぬぼれではなく自信だろう。あとは来年の開幕までモチベーションを維持できるかどうか。オフも「体は休ませない」と言う、自称「野球の研究者」ならたやすいことかもしれない。 (鈴木学)